
好みの雑貨や家具を自分で。女性のDIY人気が拡大
近年、女性の間でDIY人気が急速に拡大している。かつては「日曜大工」として男性中心の活動とされていたが、今では「DIY女子」という言葉がトレンドとなるほど、女性の間で広く浸透しているのだ。
中でもインテリアや雑貨作りが人気で、自分好みの家具や装飾品を手作りすることで、個性を表現する手段となっている。

DIYの魅力は、経済的な側面でも注目されている。既製品を購入するよりも、自分で作ることでコストを抑えられるだけでなく、環境負荷の軽減にもつながる。特に、廃材を活用したリメイクやアップサイクルの取り組みは、持続可能な社会を目指す動きと合致し、多くの女性が積極的に取り組んでいる。
また、SNSの普及に伴い、同じ趣味を持つもの同士でコミュニティを形成する動きも加速している。例えば、SNS上で作品を投稿するなど、互いにアイデアを交換しながらスキルを磨いている。
時代とともに変遷するDIY文化
DIYの歴史を振り返ると、その起源は1940年代のイギリスにまで遡る。第二次世界大戦後、資材不足の中で市民が自らの手で家や家具を修理・改築する運動が広がった。これが「Do It Yourself(自分でやる)」というスローガンのもと、DIY文化の礎となった。
その後、DIYは修理やメンテナンスの手段を超え、クリエイティビティを発揮する活動へと進化した。 特にアメリカでは、1950年代以降、DIYが余暇の一環として楽しまれるようになり、インテリアやクラフトの分野で発展した。 日本でも1970年代にDIY文化が到来し、ホームセンターの普及とともに広がりを見せている。
現代では、DIYは単なる趣味ではなく、ライフスタイルの一部として定着している。特にSNS上では初心者向けのアイデアや技術がシェアされており、誰でも簡単に始められる環境が整っている。さらに、女性向けのDIYキットやワークショップが増えたことで、より多くの女性がDIYに挑戦しやすくなっている。
小物から一軒家のリノベーションまで。ものづくりの先にある魅力とは
最近では、一軒家のリノベーションに挑戦するなど、本格的なものづくりに挑戦する女性も増えている。YouTube上では、古民家をプロの手を借りずに自分達だけで改装し、住みやすい空間へと変える動画が注目されている。
モノに溢れた現代において、自分で何かを作り上げる機会は減りつつある。そのため、DIYは単なる作業ではなく、創造性を発揮し、自分らしさを表現する貴重な手段となっている。自分の手で一からモノを作り上げる達成感は大きく、自己肯定感を高める要因ともなるのだ。

また、DIYを通じて得られるスキルは技術習得にとどまらず、問題解決能力や創造力の向上にもつながる。 手を動かして試行錯誤する過程が、達成感や自己肯定感を高め、日常生活にも良い影響を与えるのだ。
家具のリメイクや壁のペイントだけでなく、電気工事や水回りの修理など、より高度な技術を習得することで、DIYの幅はさらに広がる。 かつては「日曜大工」として男性のイメージが強かったDIYだが、女性が自らの手で住環境を整え、より快適な生活を実現することが可能となっている。
「つくること」で社会的な自立や自己実現へとつながる
「趣味」の枠を超え、自己表現や社会的なつながりを生み出す活動へと発展するケースも少なくない。その一例として、通販事業を展開する株式会社フェリシモ社内の「女子DIY部」がある。
2011年に部活動として発足し、現在では社員がDIYを楽しみながら企業の新しい事業展開にも貢献している。例えば、独立行政法人都市再生機構(UR)と協力し、DIY住宅のモデルルームを制作したり、地域団体と連携して空き店舗の改装を手掛けたりしている。

このように、DIYは女性の社会的な自立や自己実現を促す手段としても機能している。孤立しがちな専業主婦や時短勤務の子育て世代にとって、DIYは自己実現を図る有効な手段の一つだ。
家事や育児に追われる日々の中で、自分の成果が目に見えにくく、社会とのつながりを感じにくいことがある。しかし、DIYを通じて「自分の手で何かを作り上げた」という達成感を得ることで、自己肯定感が向上し、精神的な充実感を得られる。自分の好みや価値観を反映した作品を作ることで、個性を発揮し、自己肯定感を高めることも可能だ。
例えば、家具や雑貨を自作することで、自分の生活空間をより快適にカスタマイズできるだけでなく、「自分にもできる」という自信につながる。
また、SNSや地域のワークショップを通じてDIYの成果を共有することで、同じ趣味を持つ仲間と交流し、社会とのつながりを感じる機会が増える。孤立感が軽減され、日々の生活に新たな楽しみが生まれることも少なくないだろう。
DIYのスキルを活かしてハンドメイド作品を販売することで、経済的な自立にもつながる可能性がある。副業としてのDIYは、家庭と両立しながら収入を得る手段となり、自己実現の幅を広げるだろう。
ものづくりの新時代
コロナ禍を経て在宅時間が増えたことで、住環境に重きを置く人が増えたことも、DIYがライフスタイルの一部として定着するきっかけとなった。しかし、「DIY女子」の流行は、一時的なブームではなく、女性の自己実現や社会的影響力の拡大につながる文化へと発展している。
DIYは、好みの家具や雑貨を自分で作ることから始まり、住環境の改善、スキル習得、ビジネス展開へと広がる可能性を秘めている。ものづくりの楽しさを通じて、自己表現やコミュニティ形成が進み、DIY女子の影響力はますます拡大していくと考えられる。






















丸山 瑞季
大学で国際コミュニケーション学を専攻。卒業後はデジタルマーケティングに携わり、現在は難聴児の子育てに奮闘しながら、楽しく生きることをモットーに在宅で働く。関心のあるテーマは、マインドフルネス、ダイバーシティ、心理学。趣味は、食べること、歩くこと、本を読むこと。( この人が書いた記事の一覧 )