フラワーロスとは?花きの廃棄を減らすためのさまざまな取り組みを紹介

フラワーロスとは 花きの廃棄を減らすためのさまざまな取り組みを紹介

フラワーロスとは

フラワーロス(ロスフラワー)とは、生産された花が消費者にわたる前に廃棄されてしまうことだ。新型コロナの流行により、卒業式や入学式などさまざまなイベントが中止や縮小となり、需要が減少したことで問題視されるようになった。また、花だけでなく生産や流通時に使われる肥料、水、燃料などの資源が無駄になることも問題となっている。

フラワーロスの原因

フラワーロスの原因

まずは、フラワーロスを引き起こす原因を説明する。

需要見込みが立てにくい流通スタイル

花き業界は、プロダクトアウト型を採用し、花の農家が作った分をそのまま農協や市場が買い取り、仲介企業を通して消費者のもとへ届けられる流通スタイルをとっている。そのため、消費者のニーズを考えずに過剰に入荷してしまい、売れ残った花は廃棄されるケースが多い。つまり、需要と供給のバランスが崩れやすい仕組みのため、売れ残りが発生しやすくなってしまうのだ。

最近では、消費者のニーズをもとに生産計画を立て、無駄な生産を避けるマーケットイン型への転換が求められている。

需要が減少している

花き自体の需要が減少していることも理由の一つだ。農林水産省のレポートによると、日本の一世帯当たりの生花の年間購入金額について、1997年は13,130円であったのに対し、2017年では 8,757円と約20年間で20%ほど減少している。このまま消費が減り続け、ひとつ前の段落で述べたプロダクトアウト型が続くと、需要と供給のバランスがさらに崩れる可能性がある。

規格外品である

基準に達しなかった規格外品は基本廃棄されてしまう。規格外品として、変色や枯れ、細かい傷、茎の折れなどがあり、少しでも劣化があると売り場に並べられない。また、花屋ではなく直売所の場合は微細な傷があったとしても出荷されることがある。しかし、不適切な環境で切り置くなど出荷者の都合を優先した商品は、劣化が早く売れ残りやすくなるため、廃棄率も高くなる。

売り場にて劣化が起こる

売り場の環境もフラワーロスに大きな影響を与える。たとえば、窓辺に陳列される花は風や直射日光などにより劣化しやすくなる場合がある。また、夏には花を生ける際に使用する水の温度も高くなるため、細菌の繁殖や水の蒸発が起こりやすくなり劣化が加速する。このように、売り場の環境に左右されて劣化が起こることで最終的に廃棄されてしまう花も多い。

フラワーロスに対する国や企業の取り組み

フラワーロスに対する国や企業の取り組み
出典:bloomee store

フラワーロスを削減するために、国や企業はさまざまな取り組みを行っている。

花いっぱいプロジェクト(農林水産省)

農林水産省では、需要が減少している花きの消費拡大を図るため、2020年3月から家庭や職場に花を飾って楽しむ「花いっぱいプロジェクト」を実施し、全国のさまざまな自治体がそれぞれで取り組みを考案している。たとえば大阪府では「みんなで育てる花いっぱいプロジェクト」として、小・中学校に土や種、苗などの資材を支給している。子どもたちが花を育て、学校内の緑化や地域の緑化に貢献しているのだ。また、日常的に花を飾ることで、心の豊かさを高め、ウェルビーイングの向上も期待できる。

ほかにもプロジェクトの一環として、花きの暮らしへの取り入れ方をはじめとした役立つ情報をYouTubeチャンネル「BUZZ MAFF」を通じて発信している。

スマイルフラワープロジェクト

スマイルフラワープロジェクトは「花の生産者を支援し、花を通じて笑顔のサイクルを生み出す」をコンセプトとした取り組みである。スマイルフラワープロジェクトでは、市場に出される前に規格外などの理由で廃棄されてしまう花に注目した活動を行う。全国各地の農家や市場と連携して行き場のない花を買い取り、通常よりも割引した価格で消費者に提供しているのだ。この活動により、生産者は花きの価格下落を防ぎつつ、消費者は手頃な価格で花を楽しめるようになっている。

bloomee

bloomeeは、消費者に旬の花を定期的に届けるサブスクリプションサービスである。bloomeeでは、事前に注文された量に基づいて花を仕入れるため、廃棄される花の量を減らせる。また、厳しい市場規格に合わない花も積極的に取り扱う「ブルーミー規格」を設けているため、見た目が美しいにもかかわらず流通できなかった花を適正価格で購入し、消費者に届けることができている。

さらにbloomeeは、持続可能な農業や労働環境について認証を受けた農園との連携を強化するといった、環境負荷を軽減する取り組みも行っている。

フラワーバレンタイン(花の国日本協議会)

フラワーバレンタインは、バレンタインデーにおける男性から女性に対する花贈りの促進を目的としたイベントである。主催する「花の国日本協議会」は、イベントに賛同する生花や店企業、団体からの会費や協賛金をもとに、情報発信のためのイベントやキャンペーンを展開している。オンラインサイトでは、気持ちやシチュエーションにあった花⾔葉を持つ花を探すツールや、気持ちにぴったりの花を探せる逆引き辞典があり、花を選びやすいような工夫をしている。

フラワーロスを削減するために私たちができること

フラワーロスを削減するために私たちができること

私たち個人であってもフラワーロスを削減するためにできることはある。それは生活に花を取り入れてみることだ。しかし、花を普段買わない場合、突然取り入れるのは難しい。そこで使えるのが、先ほど取り上げたbloomeeをはじめとした花のサブスクリプションサービスである。サブスクであれば、販売数の正確な見積もりができるため、購入者側はフラワーロスの削減に貢献できる。また、サブスクリプションであれば花屋に行かずとも日常に花を簡単に取り入れられ、新しい花との出会いも楽しめる。さらに、生花として楽しんだ後はドライフラワーやキャンドルにするなど再利用をして楽しむこともできるのだ。

フラワーロスとSDGs

フラワーロスの削減はSDGsの目標12「つくる責任、つかう責任」に貢献するといわれている。目標12とは、持続可能な消費と生産のバランスを形成し、限りある地球の資源を守ることを目的としたものである。フラワーロスを削減することで、水や電力など貴重な資源を無駄にせず、環境への負荷を軽減させられるのだ。日本では、削減の取り組みが始まったばかりであるため、生産者と消費者が協力し解決策を模索している。

まとめ

フラワーロスは、需要減少や規格外品などによって引き起こされる重要な課題である。しかし、個人であっても花のサブスクリプションサービスを利用するなど、簡単にフラワーロス削減に貢献できる。生活に花を取り入れることは、ロス削減への貢献だけでなく心の豊かさにもつながるといわれている。花を飾ることで季節を感じ、癒しを得られるのだ。まずは、花屋に行ったりサブスクリプションを活用したりして、花を部屋に飾ってみてはどうだろうか。環境に貢献できるうえ、部屋の雰囲気もより明るくなるかもしれない。

Edited by k.fukuda

参考サイト

花きの需要・供給の将来予測による総合的対策のとりまとめ|農林水産省
花きの現状について|農林水産省直売所における切り花販売のための工程管理マニュアル|地方独立行政法人 大阪府立環境農林水産総合研究所
株式会社ジャパン・フラワー・コーポレーション
2020スマイルフラワープロジェクト
花の国日本協議会
ブルーミーのお花でつながるSDGs|bloomee
フラワーロスってなんだろう?解決のために私たちができること|フラワーライフ振興協議会

About the Writer
中村衣里_中村エレナ

エリ

大学時代は英米学科に在籍し、アメリカに留学後は都市開発と貧困の関連性について研究。現在はフリーライターとして、旅行・留学・英語・SDGsを中心に執筆している。社会の中にある偏見や分断をなくし、誰もが公平に生きられる世界の実現を目指し、文章を通じて変化や行動のきっかけを届けることに取り組んでいる。関心のあるテーマは、多様性・貧困・ジェンダー・メンタルヘルス・心理学など。趣味は旅行、noteを書くこと、映画を観ること。この人が書いた記事の一覧

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