ウェルネスとは?健康で幸福な状態になるために知っておきたいこと

ウェルネスとは

ウェルネスの普及や促進を目的とする国際機関であるGlobal Wellness Institute(GWI)によると、ウェルネス(Wellness)とは「心身の健康的な状態に導く活動や選択、ライフスタイルを積極的に追求すること」と定義されている。

ウェルネスには2つの特徴がある。1つ目は「積極的に追求すること」だ。ウェルネスは心身を健康的な状態にするために意識的に選択や行動を行う。2つ目は、身体的な健康だけを求めているわけではないことだ。後ほど説明するが、身体や感情などをはじめとした6つの要素を組み合わせることにより健康へと導く。

ウェルネスは、自分自身の状態を認識し、自分にとってベストな健康や幸福状態を意識的に目指すプロセスなのだ。

健康・ウェルビーイングとの違い

ウェルネスとは

ウェルネスは、健康やウェルビーイングと混同されがちだが、それぞれは異なる。

1947年に採択されたWHO憲章によると、健康とは「病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあること」と定義されている。

一方、ウェルビーイングとは「Well(よい)とBeing(状態)が組み合わされた言葉で、身体的にも精神的に満たされた状態」を表す。健康は「健康であると認識、判断されている状態」だが、ウェルビーイングは「健康かつ幸福感がある」といったニュアンスで、健康よりも広義的な意味で使われる。

これらに対して、ウェルネスとは「心身を健康的な状態に導けるものを追求すること」だ。つまり、ウェルネスというプロセスを通して、ウェルビーイングという状態になるといったイメージとなる。

ウェルネスを構成する6つの要素

ウェルネスを構成する6つの要素とは?

アメリカにある全米ウェルネス協会(National Wellness Institute)の共同創業者であるビル・ヘトラー氏によると、ウェルネスは身体・知性・感情・スピリチュアル・社会・職業の6つの要素から成り立つとされている。6つがバランスよく満たされることが、心身を満たしていくために重要なのだ。ここでは、6つの要素をそれぞれ詳しく紹介する。

身体

身体(physical)は、自分の身体の状態を定期的に把握する要素である。理想のウェルネスは、定期的な運動と健康な食生活を組み合わせることである。そのため「食事や栄養について学ぶ」「軽い病気に対する自己管理方法を知る」「体力や持久力を高める」などの行動が求められる。このような行動をすることで、身体の兆候を把握し、適切な時に正しい対応ができるようになるといわれている。

知性

知性(Intellectual)とは、知的好奇心(興味のある分野について、深く理解したい気持ち)をくすぐる活動を大切にする側面だ。ウェルネスを進めるうえでは、自分の知識を広げながら自分の才能を他者と共有することが求められる。自分の興味のある分野について、本や雑誌を読んだり、最新の問題やアイデアに触れたりすることで知的好奇心が育っていく。すると、さらに知識を広げ心を刺激し続けるために積極的に努力できるようになる。

感情

感情(Emotional)は、自分や他者の感情を認識し受け入れる要素である。この要素には「感情を管理して行動を制御する能力」「ストレスに対処する能力」「自分の限界を現実的に判断できる能力」などが含まれる。感情をコントロールすることで、感情を自由に表現できるようになり、何らかの選択や決断を迫られた際にも感情や思考を整理したうえで決断ができるようになる。また、自己のコントロールをしつつ他者の感情も受け入れることで、相手とも安定した関係を築けるようになる。

スピリチュアル

スピリチュアル(Spiritual)とは、自分の価値観や人生の意味を探求して理解する要素である。スピリチュアルの要素では、自分の心の中にある感情と向き合う際、疑念や絶望、恐怖、失望、孤立感などを味わう可能性がある。しかし、これらのネガティブな感情を認めたうえで自分だけの世界観を作ることができると、幸福や喜びも発見できるようになり、ウェルネスが進んでいると感じられるようになる。

社会

社会(Social)は、自分のいる環境やコミュニティへの貢献を大切にする要素である。そのため「他人と積極的にコミュニケーションを取る」「感謝の気持ちを持つ」「孤立せず、助け合える環境を作る」などといった他者との関わりをつくることが求められる。これにより、社会における自分の存在価値や、置かれている環境に与える影響を意識するようになり、社会の当事者として行動や選択ができるようになる。

職業

職業(Occupational)は、仕事を通じて人生に満足感や充実感を得ることを認識する要素である。この要素では、自分の持つ才能やスキルを活かして自分に合った仕事を見つけ、やりがいや達成感を得ることが理想のウェルネスとなる。仕事の目標を立てたり、成長する機会があったら挑戦してみるといった行動をすることで、仕事の満足感が上がるだけでなく、自分自身の成長や社会への貢献を感じられるようになるのだ。

業界別のウェルネスの活用事例

ウェルネスについてより理解を深めるために、ウェルネスの活用事例を業界別に紹介する。

ウェルネス不動産

1つ目は、不動産業界における活用事例「ウェルネス不動産」。ウェルネス不動産とは、住む人の健康や幸福な生活を最優先に考えて住居の設計や開発を行う不動産のことだ。

ただ住居を提供するだけでなく、住み心地を徹底的に追及することで、住む人の心身の健康をサポートすることを目的としている。ウェルネス不動産の設計の例としては、自然との調和やサステナビリティを考えたものやコミュニティとの交流を重視したものなどがある。心身の健康が重視される流れのある世の中で注目が集まっており、今後も市場は拡大していくといわれている。

ウェルネスツーリズム

2つ目は、観光業における活用事例「ウェルネスツーリズム」である。これは、旅行において、観光地巡りを目的とはせず、心身のリフレッシュを目的するスタイルのことだ。例として、自然と触れ合う機会を取り入れたり、普段の生活ではしないアクティビティを行ったりなどといった形がある。

また、ウェルネスツーリズムは旅行者の心身の状態を良くするだけでなく、旅行先の地域の活性化にもつながると期待されている。たとえば、観光客を呼び込みたい自治体ではウェルネスに関するアクティビティを取り入れたツアーを開催することで、旅行者にも自治体にもメリットが生まれる。

このように、今後ウェルネスツーリズムは新しい旅行の形として、より人気が広がっていくと期待される。

個人が日常生活で取り入れられる活動を紹介

個人が日常生活で取り入れられる活動を紹介

ここまで、ウェルネスを構成する要素や業界別の取り組み事例を紹介した。ここからは個人としてウェルネスを進めるうえで日常生活で気軽に始められることをいくつか紹介する。

毎日身体を動かす(身体のため)

身体の健康を維持するためには、毎日身体を動かすのがおすすめだ。運動することで、心臓の健康を強化したり筋肉をつけたりできるといった身体的なメリットが得られるのはもちろん、ストレスや不安の軽減などにも効果があるのだ。毎日続けられる身近な運動としては、散歩やランニング、サイクリングなどがある。まずは自分自身が楽しめる方法で取り入れてみてほしい。

ポッドキャストを聴く (知性、感情のため)

ポッドキャストを聴くことは、知的好奇心が満たされ、かつメンタルケアにもつながる。ポッドキャストで日々新しいトピックや情報に触れることで、思考が広がり創造力や問題解決能力が身に付くといわれている。また、マインドフルネスやメンタルケアなどに関するトピックを聴くことで、ストレス軽減やリラクゼーションにつながり、心のバランスを保ちやすくなるのだ。

ジャーナリング (感情、スピリチュアルのため)

自分の感情や考えを整理し、自己理解を深めるうえでジャーナリングはかなり効果的だ。ジャーナリングとは、頭に浮かんだことをそのまま書き出すことで、自分自身と向き合う方法である。ジャーナリングを日々続けることで、自分がどういった考えを持ちどのような時に心が動くのかを理解できる。行動も大事であるが、ジャーナリングで行動や考えを振り返ることで、より自分が健康だと感じるライフスタイルを追求しやすくなる。

まとめ 

身体の健康だけでなく、心の充足感や幸福感も大切にするウェルネスは、自身の価値観や興味関心に目を向けることを促すことに役立つ。多様な情報が飛び交い、世が効率化に突き進む中で、周辺のものとの境界があいまいになり、効率性に取り込まれ、そして自分自身が何者かわからなくなることもあるだろう。

そのようにせわしなく過ぎていく世の中で、自身の心身の健康に気を配り、社会との健全な関係を結ぶために、いまウェルネスが求められる。

参考記事
Global Wellness Institute
The Six Dimensions of Wellness Model|National Wellness Institute
28 Wellness Activities Everyone will Love|IncentFit
世界保健機関(WHO)憲章とは|日本WHO協会
ウェルネスツーリズム ~心身と地域を元気にする旅行~|日本経済研究所

関連記事

まだ表示できる投稿がありません。

新着記事