気候変動や資源循環、自然との共生といった課題を通して、持続可能な社会のかたちを問い直す。未来世代のために、どのような環境との関係を築けるかを考える。

#24 気候変動時代の青春映画『大海のひとしずく』が共有したかったもの
「なんで脱炭素社会を実現したいなら石炭火力発電所は止めるべきだって言わなかった?」 環境審議会の後、わたしの中のもうひとりの僕が毒づいてきた。1986年の冬「あんな大人にはならない」と悔し涙を流した雨の夜からひとつの身体を共有してきた17歳の私だ。
気候変動や資源循環、自然との共生といった課題を通して、持続可能な社会のかたちを問い直す。未来世代のために、どのような環境との関係を築けるかを考える。

「なんで脱炭素社会を実現したいなら石炭火力発電所は止めるべきだって言わなかった?」 環境審議会の後、わたしの中のもうひとりの僕が毒づいてきた。1986年の冬「あんな大人にはならない」と悔し涙を流した雨の夜からひとつの身体を共有してきた17歳の私だ。

都市開発に伴う建設廃棄物は年間8,000万トン超。この負の副産物を資源として活かす動きが加速している。建材情報をデジタル管理する「マテリアルパスポート」、分解・再利用を前提とした設計手法など欧州で実用化が進むこれらの仕組みが、日本でも本格始動しつつある。建築分野のサーキュラーエコノミーの今を追う。

サステナブルツーリズムの”サステナブル”とは、何を持続させることなのだろうか。環境への配慮が進む一方、観光業界で深刻な問題とされているのが、現場の人手不足である。本記事では、観光業界が直面する働き手確保の課題に触れながら、持続可能な観光のあり方を探っていく。

安価な家具を買っては捨てる暮らしは、本当に豊かだろうか。奈良県で生まれた家具キット「Do kit yourself」は、吉野ヒノキのパーツを自らの手で組み立て、手入れをしながら使い続ける体験を提供する。自らつくった家具は、ただの「商品」ではなく、共に時を重ねる存在になる。物を育てながら暮らす、新しい関係性がここにある。

開発事業は、私たちの暮らしと経済を支える一方、自然や生態系を破壊してしまっている。このジレンマにどう向き合うべきか。その答えとして、開発による損失を別の場所の保全活動で埋め合わせる「生物多様性オフセット」という仕組みがあるのをご存じだろうか。本記事では、開発と自然保護をつなぐこの仕組みの可能性や課題を解説する。

都市の緑化は美しさだけでなく、生態系や防災、維持コストにも影響を与える重要なテーマである。近年注目される「在来種を主役にしたまちづくり」は、地域固有の自然を取り戻しながら、環境負荷を抑え、災害に強い都市を育てる新たなアプローチだ。本記事では、その魅力と実践のステップをわかりやすく解説する。

私たちは、道端に咲く花をどれほど意識して過ごしているだろうか。 その花の種類や花びらの枚数、隣に生える植物。はたまた、葉に止まった虫の種類。そんな「小さな生態系」の記録を共有することで、地域や世界の環境を守れるかもしれない。 今回は、市民一人ひとりが科学者として機能する「市民科学」の取り組みについて解説する。

「みんな同じ」は効率的だが、脆い。「みんな違う」は面倒だが、強い。 気候変動が加速する今、食卓を支える作物の「遺伝的多様性」が失われつつある。19世紀のジャガイモ飢饉の悲劇から、現代の「ノアの箱舟」と呼ばれる種子貯蔵庫まで、多様性がもたらす生物学的な「保険」のメカニズムと、私たちが未来のために取り戻すべき「寛容さ」について考えていこう。

わたしには身近な植生の名前を知らないというコンプレックスがある。多くの人は身近な植物や木々の名前を子どもの頃に長期記憶するものだと聞く。身近な情報をより好みすることなく吸収する、スポンジのような時期だ。自分が身近な植生の名前を知らない要因のひとつは、そういう時期を首都圏に造成されたマンモス団地で、自然に触れることなく通り過ぎてしまったことにあるのではないかと思っている。