【第3回】群れることと、つながることは違う──「顔」のある関係へ
これまで群衆の構造と同調のメカニズムを考えてきた。では「群れること」と「つながること」は何が違うのか。SNS時代に再現される群衆心理を念頭に置きながら、哲学者レヴィナスの「顔」という概念を手がかりに、他者とのつながりについて問い直してみたい。

これまで群衆の構造と同調のメカニズムを考えてきた。では「群れること」と「つながること」は何が違うのか。SNS時代に再現される群衆心理を念頭に置きながら、哲学者レヴィナスの「顔」という概念を手がかりに、他者とのつながりについて問い直してみたい。

自分で考える自由を持ちながら、なぜ人はそれを手放してしまうのか。エーリッヒ・フロムは「自由」が持つ重たさにその原因を見た。心理学の実験では、普通の人がいかに容易く同調や服従に傾くかを示している。「自由から逃げる」心理メカニズムを読み解いていきたい。

SNSで多数派の意見に流されそうになるとき、私たちはすでに大衆の一部かもしれない。19世紀末、ル・ボンは群衆の中で個人の理性が溶けていく構造を見抜き、さらに20世紀のオルテガは「みんなと同じ」であることに安心する個人こそ、大衆であると論じている。二つの古典から「大衆」の正体を探っていきたい。

幸せを追求する上で欠かせない概念として、近年注目を集めている「ウェルビーイング」。これは5つの要素から構成されており、その一つが、お金や経済的な幸福度を示す「フィナンシャル・ウェルビーイング」だ。「お金を持つこと」と「幸せ」には、どのような関係があるのだろうか。お金のあり方を通して、私たちの幸福を見つめ直してみたい。

動画アプリを開けば、見たい動画が次々と提案され、ECサイトではおすすめの商品が並ぶ。AIによるレコメンドが、私たちの意思決定を驚くほど手軽にしてくれている。しかし、AIの最適化は本当に私たちのためなのだろうか。本記事では、AIがもたらす便利さの裏側にある価値観への影響と、透明性や公平性といった課題について考えていく。

ただ訪れるだけの旅から、地域と共生する旅へ。欧州の小都市がマスツーリズムの弊害を乗り越え、観光を「地域再生の手段」として再定義している。環境保全、住民参加、観光資源の再設計という3つの軸から、旅と地域の新しい関係を見ていく。

家庭や職場、学校といった日常の役割から離れ、自分らしくいられる「サードプレイス(第三の居場所)」が今、変容している。地域コミュニティが衰退する一方で、新たな「居場所」として台頭しているのが「推し活」だ。本記事では、既存の居場所が機能しにくくなった背景や、推し活が果たす役割と課題を社会学や心理学の視点から考察する。

南アフリカ・ワイルドコーストの果て、小さな村ムドゥンビにある「ムドゥンビ・バックパッカーズ」は、村人自身が運営するコミュニティ宿。宿泊客は村人と共に料理を作り、畑を手伝い、焚き火を囲むなど、観光を超えた暮らしの時間を分かち合う。地域文化の継承と現地住民の自立を支えるモデルとして注目されている。

教室の枠を超え、世界を教材にする「旅育」が注目されている。知識詰め込み型の教育が行き詰まる中、異文化との出会いや予期せぬトラブルへの対応を経験し、子どもたちは生きる力を手に入れる。ニュージーランド、シンガポールなどの国際事例から、持続可能な社会を築く新しい学びの形を考察する。