
概要
INTRODUCTION
この回で伝えたいこと。
コンビニで並ぶお弁当や、閉店間際のパン屋さんに残るドーナツ。
まだ美味しく食べられるのに、商慣習や消費期限の壁によって捨てられてしまう食品が、
この渋谷区だけでも年間約1.9万トンにのぼる。
こうした「負の遺産」を、ワクワクするような体験を通じて「資源」へと変える試みが始まった。
北欧発のアプリ『Too Good To Go』が提案するのは、
余剰食品を詰め合わせた「サプライズバッグ」という新たな循環の形だ。
今回は、日本初上陸を果たしたばかりのこの取り組みを軸に、食の循環が生み出す、新しい社会の姿を模索する。
ゲスト
GUEST
対話の扉を開き、新しい世界を描き出す。

篠原佳名子氏
Too Good To Go マーケティング&PRマネージャー
IT、飲食、小売の多角的なビジネス現場を経て現職。
北欧発「Too Good To Go」の日本立ち上げの第一号社員として参画し、マーケティングとPRで牽引する。
音楽家としての感性とビジネスの視点を掛け合わせ、食の資源循環を身近にする活動に取り組む。
テーマ
THEME
この回を読み解く言葉。

食品ロスとは?現状や原因、世界や日本の対策、企業の取り組み、私たちができることを解説
食品ロスとは、本来であれば食べられるにもかかわらず捨てられてしまう食品のことを言い、排出される場所によって、事業系食品ロスと家庭系食品ロスの2種類に大別できる。食べ残しや消費量に合わない大量生産、賞味期限切れなど、さまざまな原因から食品が廃棄され、その量の多さは、生ゴミの処理にかかる費用や排出されるCO2の増加、生産国での食料不足や飢餓の増加などの問題を引き起こしている。
用語集
RELATED TERMS
番組中に登場するキーワード解説。
注目
HIGHLIGHTS
心に刻む、その一言。
まもなく公開。

捨てられて困っているバッテリーを、「グラフェン」という価値ある新素材に変えてたくさん届ける。社会の困りごとを解決しながら新しい産業も作るという、世界が驚くような一石二鳥のプロジェクトなんです。

実は日本って、回収したもののリサイクル率は高いんです。技術はあるけど「回収」できていないところが課題なんです。
音声で聴く
AUDIO
声に触れて、世界を感じて。
まもなく公開。
文字で読む
TRANSCRIPT
言葉の行間に、心をたどる。
まもなく公開。
小原
本日もよろしくお願いします!先月、突然ノートパソコンの電源が入らなくなっちゃって。近くの修理店に行ったら、1mmくらいのパーツを3つほど交換して無事に復旧したんです。リユース部品で直してもらったんですけど、改めてリユースの大切さを実感しましたね。
望月
パソコンから部品を取り出して再利用に回すのは、本当に大切なことですよね。
福田
欧州ではWEEE指令で電子機器の回収・リサイクルが義務化されていますし、アメリカでもEPR(拡大生産者責任)でメーカーが費用を負担する流れがあります。
小原
Appleもサプライチェーンと協力してリユース率を上げていますし、意外と身近なことになってきていますよね。
福田
一方で、日本の電子機器のリサイクル率は約20%。ヨーロッパの4〜6割に比べると、まだまだ課題がありそうです。
小原
そこでキーワードになるのが「都市鉱山」ですよね。
望月
はい。例えば、国内の都市鉱山に眠る金は約6,800トンと言われています。これは世界一の金埋蔵国に匹敵する量なんです。
小原
すべて回収すれば世界一の産出国になれるじゃないですか!金以外にも銀、鉛、イリジウムも日本に多く眠っている。資源を回すことは環境にも経済にもいい影響があります。
ということで今月のゴミッションは、「眠っている都市鉱山を活用するために一人一人ができること」。
小原
不要なスマホをどこに持っていけばいいかわからない、個人情報が不安という方も多いはず。そこで、渋谷のラジオのスタジオ前室に「小型家電回収ボックス」を設置しました!黒くて立派な箱で、万が一の発火に備えた自動消火装置もついているんですよね。
望月はい。データ消去も発火対策も安心してお持ちいただければと思います。
日本発の概念「都市鉱山」ってなに?(15:20~)
小原
そもそも「都市鉱山」って、いつどこで生まれた言葉なんですか?
望月
実は日本生まれなんです。1988年に東北大学の南條教授が、廃棄される家電の中に有用な貴金属が存在するという概念を提唱したのが始まりです。
小原
2003年頃からレアメタルの価格高騰で注目されましたが、再資源化の技術も進んでいるんでしょうか。
望月
国も注力していますが、まだ足りない状況です。ただ、ホンダさんと日本重化学工業さんが共同で、ニッケル水素バッテリーからレアアースをリサイクルする仕組みを世界で初めて実用化したりしています。
小原
日本が世界初!もっとやりたいですね。法規制や政策の動きはどうですか?
望月
2013年に「小型家電リサイクル法」が施行されました。象徴的だったのは5年前の東京オリンピック・パラリンピックの「みんなのメダルプロジェクト」ですね。携帯電話などから抽出した金属で全メダルを作ったんです。
小原
あれは凄かった!「金メダルはみんなの携帯からできている」って、リサイクルのイメージが具体的になりますよね。
望月
さらに2ヶ月後には「資源有効利用促進法」が改正施行されます。自動車メーカーへの再生プラスチック利用の義務化や、モバイルバッテリー、スマホ、加熱式タバコの3品目がメーカー回収・リサイクルの義務対象になります。
小原
ゴミ処理場を取材したとき、燃えるゴミに出されたモバイルバッテリーが発火して困っていると聞きました。義務化で認知が進むといいですね。そんな中、代表の望月さんが率いる萬年では、これまでどのような歩みを?
望月
弊社では、創業時は銅やアルミなどの非鉄金属を扱っていましたが、2018年頃からパソコンやスマホなどの「電子廃棄物」を回収・循環させる事業をメインに切り替えました。実は法律上の優先順位は1位リデュース、2位リユース、3位リサイクルなんです。弊社もリサイクルだけでなく、より環境負荷の低いリユースを推進しています。
小原
僕のパソコンみたいに、修理して助かる人が増えるわけですね。現在、どれくらい回収されているんですか?
望月
月に約3万台です。その半分近くはリユースできています。本来は処分費がかかっていたものが、価値のある資源に変わる。環境にも経済にも良い循環です。
廃棄バッテリーから生まれる「夢の素材グラフェン」(24:13~)
小原
そしてここからが、この放送が「宇宙初発表」となる新規事業のお話です!
望月
はい。この度「EVバッテリーからグラフェンを作る」事業を開始します。
小原
グラフェン!2030年にはEVバッテリーの大量廃棄時代が来ると言われていますが、そこから新しい素材を取り出すと。そもそもグラフェンって何ですか?
望月
鉛筆の芯(黒鉛)を極限まで薄くした、炭素原子1個分の厚みの物質です。2004年に「セロハンテープで黒鉛を剥がし続ける」という面白い方法で発見され、2010年にはノーベル物理学賞を受賞しています。
小原
セロハンテープでノーベル賞!どんな特徴があるんでしょう。
望月
鋼鉄の200倍の引っ張り強度があり、電気や熱の伝導性も非常に高い。鉄、シリコン、プラスチックに続く「第4の基盤素材」として期待されています。リチウムイオン電池の電極やスマホの放熱材、さらには軽くて強いテニスラケットや、保温性の高い衣料品など、用途は無限大です。
小原
それを廃棄バッテリーの「負極材」から作るわけですね。
望月
そうです。レアメタルが含まれる正極材のリサイクルは進んでいますが、負極材(グラファイトなど)のリサイクルは世界的に遅れています。今回、台湾の企業が開発に成功したアップサイクル技術の、日本国内における製造ライセンス独占権利を弊社が取得しました。
小原
独占契約!すごい!
望月
2027年1月からは日本国内での製造開始も予定しています。この事業は分社化する予定で、高品質なグラフェンを低コスト・大量生産することで、日本の製造業を大幅に強化したいと考えています。
小原
日本は資源がないと言われますが、捨てているものを資源と捉え直せば「資源大国」になれる。希望がある話ですね!
「スマホ回収ボックス」の設置。渋谷から始まる循環(37:28~)
小原
最後に、この循環を支えるために一番必要なことは何でしょう?
福田
やはり「回収」です。日本のリサイクル率が低いのは、技術がないからではなく、回収率が低いからという側面もあるのです。
小原
知らないから捨てちゃうんですよね。改めて、渋谷のスタジオで回収している対象を教えてください。
福田
今回はスペースの関係で、「スマホ・タブレット・ガラケー」の3点に限定しています。データはご自身で消去していただくのが基本ですが、認定事業者である弊社が責任を持って消去・管理しますので、安心してお持ちください。
小原
目標は100台!持ち込んでくれた方には渋谷のラジオのステッカーをプレゼントします。リスナーさんからは「渋谷のトレジャーポスト」なんて名前案も届いています。
望月
トレジャー、いいですね。
小原
いらなくなった何かで、どこかの誰かを助ける。そんな循環経済を作りましょう。皆さんの引き出しに眠っている都市鉱山、ぜひ渋谷のラジオまで届けてください!
連載
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小原信治が紡ぐ、もうひとつの物語。

種蒔く旅人Ⅱ
~2040、未来の君へ~
文・写真 青葉薫
夕陽が海に沈む三浦半島・秋谷。15年前に都会を離れ、この海辺のまちで「食べるものを育てる」暮らしを手に入れた。
朝は産み落とされたばかりの鶏卵を炊き立ての白米にかけ、夜は目の前の海で採れた魚と自分たちで育てた野菜で晩酌を楽しむ。心はいつも凪いでいる。
だが今、気候危機という現実が、この美しい日常に影を落とす。2040年、娘が大人になる頃の世界はどうなっているのか。
この海辺のまちで生まれた我が子に何を残せるのか。未来への「希望の種」を探す新たな旅が始まる。旅するように暮らす、この町で。





































日本は資源がないないって言ってますけど、捨ててるものを全部資源だと捉え直すだけで、本当に資源大国になるんですよね。