エモーショナルヘルスとは?向上させるメリットや心の安定を得るための習慣も解説

エモーショナルヘルスとは? 

エモーショナルヘルスとは、自分自身の感情を認識・理解し、効果的にコントロールする能力を指す。感情的に健康な人は、ポジティブな感情とネガティブな感情の両方に対処する能力が高く、困難な状況でも心の安定を保つことができる。また、エモーショナルヘルスが高い人は、必要に応じて、専門家に助けを求めるタイミングも知っている。

また、エモーショナルヘルスと身体的な健康は、深く結びついている。長期間にわたるストレスやネガティブな感情は、心身に悪影響を及ぼし、不眠や過食といったさまざまな生活習慣病のリスクを高める可能性がある。

メンタルヘルスとの違い

エモーショナルヘルスとメンタルヘルスは、しばしば混同されるが、両者は異なる概念である。

メンタルヘルスは、心の健康全般を指す言葉だ。これは、単に気分が良い悪いだけでなく、うつ病や不安障害といった精神疾患や心理的な問題も含む、広い概念である。世界保健機関(WHO)は、メンタルヘルスが高い状態を「個人が自分の能力を認識し、日常生活のストレスに対処でき、生産的かつ実りある仕事ができ、地域社会に貢献できるウェルビーイングな状態」と定義している。

一方、エモーショナルヘルスは、メンタルヘルスの一部であり、私たちの感情に焦点をあてた概念である。これは、感情を認識・理解し、管理する能力のことだ。例えば、怒りを感じたときに、その感情の原因を考え、建設的な行動をとる能力などがあげられる。つまりエモーショナルヘルスは、精神疾患の有無に関わらず、誰もが向上できる能力だ。

エモーショナルヘルス向上によるメリット

エモーショナルヘルスが良い状態にあると、ストレスの軽減、人間関係の円滑化、自己肯定感の向上、創造性の向上といったさまざまなメリットが期待できる。具体的には、以下のようなメリットが得られる。

  • ストレスの軽減
    エモーショナルヘルスが高い人は、ストレスを感じた際にも冷静に対処し、心身に与える悪影響を最小限に抑えられる。
  • 人間関係の円滑化
    自分の感情をコントロールし、相手の感情を理解することで、良好な人間関係を築ける。
  • 自己肯定感の向上
    自分の感情を受け入れ、自己肯定感を高めることで、自信を持って行動し、目標達成へとつながる。
  • 創造性の向上
    ストレスが軽減され、心の状態が安定することで、創造性や問題解決能力が向上する。
  • 健康の維持
    エモーショナルヘルスは、心身の健康とも密接に関連しており、心身のバランスを保つことにつながる。
  • 幸福度の向上
    充実感や幸福感を感じやすくなり、より豊かな人生を送ることにつながる。

現代人が抱える悩みとエモーショナルヘルス

現代人が抱える悩みとエモーショナルヘルス

現代社会で生きる人々は、多種多様なストレスを抱えている。これらのストレスは、感情のバランスを崩し、エモーショナルヘルスを低下させる原因となる。

  • 仕事と育児の両立
    限られた時間の中で、仕事と育児の両方をこなさなければならないというプレッシャーは、大きなストレスとなる。
  • 人間関係の悩み
    職場や家庭、友人関係といったさまざまな人間関係の中で、悩みを抱えている人は多い。人間関係のストレスは、心の健康を大きく左右する。
  • 将来への不安
    変化の大きな現代社会で、人々は経済的な不安、将来のキャリアに対する不安、子どもの将来に対する不安といったさまざまな不安を抱えている。これらの不安は、心の負担となり、エモーショナルヘルスを低下させる原因となる。

エモーショナルヘルスの状態を知るためのチェックリスト

エモーショナルヘルスの状態を知るために、下記のチェックリストを活用することができる。チェックが多いほど、エモーショナルヘルスが低下しているサインである。

  • 友人、家族、同僚から孤立したり、距離を置くことが増えた
  • いつもよりエネルギーが低く、やる気が出ない
  • 睡眠時間が長すぎる、または短すぎる
  • 食欲の増進、または減退
  • アルコールやたばこの摂取量の増加
  • ネガティブな思考が駆け巡る
  • 仕事のパフォーマンスが低下する
  • 普段よりも人間関係の葛藤が多い
  • イライラ、罪悪感、絶望感、無価値感
  • 入浴や歯磨きといった衛生面や身だしなみなどの身の回りのケアを怠る

エモーショナルヘルスを高める6つの習慣

 エモーショナルヘルスの状態を知るには?チェックリスト

エモーショナルヘルスを高めるには、自身が何にストレスを感じ、何を心地よく感じるかを知ることが大切だ。その上で、自分に足りないと思う習慣を下記の中から少しずつ取り入れていくとよい。

①毎日を振り返る時間を作る

毎日を振り返る時間は、自分自身と向き合い、感情を深く理解するための貴重な機会となる。具体的には、以下のような方法が考えられる。

  • ジャーナリング
    一日の出来事や感情を記録し、客観的に自分を見つめることができる。
  • 瞑想
    静かな場所で心を落ち着かせ、自分の内なる声に耳を傾けることで、ストレスを軽減し、心の安定を図ることができる。
  • カウンセリングや親しい人との会話
    専門家や親しい人との対話を通じて、自分の感情を整理し、新たな気づきを得られる。

②仕事と私生活のバランスを取る

仕事と私生活のバランスを取ることは、心身のリラックスにつながり、エモーショナルヘルスを向上させる上で重要だ。具体的には、以下の工夫が有効である。

  • オンオフをしっかりと切り替える
    家に仕事を持ち帰らない、在宅ワークの場合は物理的な区切りを作る(仕事用のスペースを設けたり、デバイスを仕事用とプライベート用で分ける)ことで、オンオフをしっかりと切り替えよう。
  • 休憩時間を有効活用する
    昼休みにはデスクから離れ、体を動かすなどして、仕事から完全に離れる時間を設けよう。短い休憩をこまめにとることも効果的だ。
  • 無理のない範囲で働く
    仕事量が多すぎる場合は、上司や同僚に相談し、仕事の優先順位を見直したり、助けを求めたりすることも検討しよう。

③好きなことをする時間を作る

好きなことをする時間は、心のリフレッシュにつながり、生活に潤いを与える。以下のような時間を取り入れてみよう。

  • 趣味に没頭する
    読書、音楽鑑賞、絵画など、自分が楽しめる趣味に時間を使うことで、ストレスを軽減し、心の安定を図ることができる。
  • ペットと触れ合う時間を作る
    愛らしいペットと過ごす時間は、癒しを与えてくれる。また、ペットの世話をすることは、心の安定や孤独感を解消することにもつながる。
  • 友人との交流を深める
    友だちと会って話したり、一緒に趣味を楽しんだりすることは、孤独感を解消し、心の支えとなる。

④自然と触れ合う

自然と触れ合うことは、心身に癒しを与え、ストレスを軽減する効果が期待できる。具体的には、以下のようなことを取り入れてみよう。

  • 自然の中に身を置く
    公園を散歩したり、自然豊かな場所へ旅行に行ったりすることで、気持ちがリフレッシュされ、癒し効果を実感できる
  • 植物を育てる
    部屋に観葉植物を置いたり、ベランダでハーブを育てたりするのもよい。植物の世話をし、成長を目にできることは、心の安らぎにつながる。
  • アウトドアを楽しむ
    キャンプや登山など、自然の中で体を動かすアクティビティもおすすめだ。

⑤バランスのよい食事、適度な運動、十分な睡眠

心身の健康を保つためには、バランスのよい食事、適度な運動、そして十分な睡眠が不可欠である。以下のような習慣を意識しよう。

⑥よりよい人生を送るために必要な目標やプランを立てる

エモーショナルヘルスを高め、より良い人生を送るためには、明確な目標を設定し、それに基づいた計画を立てることが重要だ。具体的には、以下のことを行うことで、自己肯定感が高まり、より充実した人生を送ることができる。

  • 人生のビジョンを描く
    自分の価値観を明確にし、どのような人生を送りたいのか、何を達成したいのか、今現在優先順位の高いことは何なのかを明確にすることで、目標設定の指針となる。
  • 具体的な目標を設定する
    達成可能な範囲で、具体的な目標を設定しよう。「家族との時間を大切にする」という漠然とした目標ではなく「週1回、2時間は子どもとの時間を作る」のように、具体的な数値や期限を設定することが重要だ。
  • 計画を立てる
    目標達成のために、具体的な行動計画を立てよう。例えば「週に3回運動する」という目標であれば「月曜日はジョギング、水曜日はヨガ、金曜日はジムに行く」というように、具体的なスケジュールを立てる。
  • 振り返りを行う
    定期的に目標達成状況を見直し、必要に応じて計画を修正しよう。

まとめ

エモーショナルヘルスは、ポジティブな感情とネガティブな感情の両方に対処する能力で、人間関係や自己肯定感といった人生の質を大きく左右する要素だ。

エモーショナルヘルスの向上は、ストレスを軽減し、心の安定を図り、自己成長を促す。最終的には、より充実した人生を送ることにつながるだろう。

まずは簡単にできる習慣から取り入れ、エモーショナルヘルスを高め、豊かな人生を送るための第一歩を踏み出そう。

参考記事
The Difference Between Mental and Emotional Health|Web MD
What to Know About Emotional Health|Web MD
Mental health|WHO

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