#21 環境と政治について-環境保全のために市議会議員になるという選択
「やっぱり根本的に変えたいのは下水ですね」 天白さんが"もうひとつの顔"を見せたのは環境問題の解決に"政策"という言葉を用いたときだった。 「今、横須賀市では下水汚泥を乾燥して焼却処分しているんです。でも汚泥にはなくしちゃいけない成分もある。土壌や海を豊かにしてくれる成分もあるんです。だからその成分を焼却せずに自然に返したい」

「やっぱり根本的に変えたいのは下水ですね」 天白さんが"もうひとつの顔"を見せたのは環境問題の解決に"政策"という言葉を用いたときだった。 「今、横須賀市では下水汚泥を乾燥して焼却処分しているんです。でも汚泥にはなくしちゃいけない成分もある。土壌や海を豊かにしてくれる成分もあるんです。だからその成分を焼却せずに自然に返したい」

真っ先に目に飛び込んできたのは、昔ながらの農家屋敷の庭先にはミスマッチな最新鋭の特装車だった。2トントラックの荷台部分を改装したオールステンレスの車内に調理台や冷蔵設備が完備されている。周囲が見渡す限りの田畑であることも相まって、江戸時代の里山にタイムスリップしてきた映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアンのようでもあった。

年末年始はごみ集積所の山がいちだんと大きくなる。昭和生まれのわたしにとっては子どもの頃から見慣れた風景のひとつだ。当時暮らしていたマンモス団地では、ごみ置き場の扉を開けるたびに腐敗した生ごみの強烈な臭いがした。

三浦半島ではみかん狩りが終わると、休む間もなく七草の仕事が始まる。大根、キャベツとともに冬の市場を席巻する三浦産「春の七草」だ。

三浦半島では秋になると子安の里の路肩や河川敷などに「黄金の壁」が出現する。背高泡立草。その名の通り、背の高い泡立ちしたような黄金色の花穂をつける植物だ。

以前書いたように「雑草なんて草はないんだよ」と教えてくれたのは南房総で70年以上農業を営んできたおばあちゃん。人間は大地とともに生きてきたことを教えてくれた、わたしの恩師だ。

酷暑の次に待っていたのは、熊被害だった。原因を作ったのは人間だ。かつては熊の生息地と都市の間に緩衝地帯としての里山があった。わたしたちはそこで木を伐採し建築資材やエネルギーとして利用していた。果樹や野菜を育てていた。

夏みかんが冬に色づくのを知ったのは三浦半島で暮らし始めてからだ。緑の実が晩秋に入った頃から、日中のあたたかな陽射しと日没後の寒暖差でゆっくりと色づいていく。メカニズムは紅葉と同じだ。光合成をするための緑(クロロフィル)が分解され、その下に存在していた黄色(カロテノイド)が表面化していく。

ずっと海を見ていた。15年間ずっと。だが、わたしが見ていたのは海の表面に過ぎなかったのかもしれない。穏やかな凪の下に広がる海の森で何が起きていたのか。毎日見ていたのに、わたしは森が消えゆくことに少しも気づけなかった。