#24 気候変動時代の青春映画『大海のひとしずく』が共有したかったもの
「なんで脱炭素社会を実現したいなら石炭火力発電所は止めるべきだって言わなかった?」 環境審議会の後、わたしの中のもうひとりの僕が毒づいてきた。1986年の冬「あんな大人にはならない」と悔し涙を流した雨の夜からひとつの身体を共有してきた17歳の私だ。

「なんで脱炭素社会を実現したいなら石炭火力発電所は止めるべきだって言わなかった?」 環境審議会の後、わたしの中のもうひとりの僕が毒づいてきた。1986年の冬「あんな大人にはならない」と悔し涙を流した雨の夜からひとつの身体を共有してきた17歳の私だ。

サステナブルツーリズムの”サステナブル”とは、何を持続させることなのだろうか。環境への配慮が進む一方、観光業界で深刻な問題とされているのが、現場の人手不足である。本記事では、観光業界が直面する働き手確保の課題に触れながら、持続可能な観光のあり方を探っていく。

「あなたの体質に合った食事」を提案するサービスが、急速に広がっている。テクノロジーの進化により、食はデータとして管理される時代になりつつある。しかし、科学で食事を最適化することは可能なのだろうか。本記事では、科学と食の自由について探っていく。

開発事業は、私たちの暮らしと経済を支える一方、自然や生態系を破壊してしまっている。このジレンマにどう向き合うべきか。その答えとして、開発による損失を別の場所の保全活動で埋め合わせる「生物多様性オフセット」という仕組みがあるのをご存じだろうか。本記事では、開発と自然保護をつなぐこの仕組みの可能性や課題を解説する。

私たちは、道端に咲く花をどれほど意識して過ごしているだろうか。 その花の種類や花びらの枚数、隣に生える植物。はたまた、葉に止まった虫の種類。そんな「小さな生態系」の記録を共有することで、地域や世界の環境を守れるかもしれない。 今回は、市民一人ひとりが科学者として機能する「市民科学」の取り組みについて解説する。

「みんな同じ」は効率的だが、脆い。「みんな違う」は面倒だが、強い。 気候変動が加速する今、食卓を支える作物の「遺伝的多様性」が失われつつある。19世紀のジャガイモ飢饉の悲劇から、現代の「ノアの箱舟」と呼ばれる種子貯蔵庫まで、多様性がもたらす生物学的な「保険」のメカニズムと、私たちが未来のために取り戻すべき「寛容さ」について考えていこう。

現在に至るまで、地球では数えきれないほど多くの生き物たちが絶滅してきた。一つの種の滅亡は、時間をかけながら地球全体にまで影響を及ぼしていく。 今回は、地球の生物多様性を守る取り組みの一つ、「生息域外保全」について掘り下げていく。絶滅を防ぐ活動が抱える課題を知り、専門家たちの取り組みをより身近に感じてみよう。

これまで群衆の構造と同調のメカニズムを考えてきた。では「群れること」と「つながること」は何が違うのか。SNS時代に再現される群衆心理を念頭に置きながら、哲学者レヴィナスの「顔」という概念を手がかりに、他者とのつながりについて問い直してみたい。

SNSで多数派の意見に流されそうになるとき、私たちはすでに大衆の一部かもしれない。19世紀末、ル・ボンは群衆の中で個人の理性が溶けていく構造を見抜き、さらに20世紀のオルテガは「みんなと同じ」であることに安心する個人こそ、大衆であると論じている。二つの古典から「大衆」の正体を探っていきたい。