アーシングとは?
アーシングとは、素肌で地球の大地に触れることを意味する和製英語である。一般社団法人日本電磁波協会によると、アーシングは「主に、アース(接地)の仕組みを使って、人間の身体や、生活空間における様々な製品から、電場を安全な水準まで低減させる事を指す」と定義されている。具体的な方法としては、素足で土の上を歩いたり、素手で木や海水に触れたりすることで、体に溜まった電気を逃がすというものだ。
人間は古来、自然とふれあいながら暮らしてきた。しかし、現代では道路はアスファルトになり、私たちもゴム底の靴を履いて生活しているため、素肌で大地に触れることはほとんどなくなっている。そのうえ生活環境は、ほとんどが電気によって担われており、私たちの体には知らず知らずのうちに電気が溜まっているとされる。その電気を土や海水を通して放電させ、大地を感じることで心身によい影響を与えようとする試みがアーシングだ。
アメリカ合衆国カリフォルニア州が発祥とされるシンプルな方法で、地面(ground)と繋がることから別名「グラウンディング」とも呼ばれている。
アーシングが注目される理由
アーシングが注目される理由は、先述のとおり現代人は自然と触れる機会が激減したこと、そして日常生活において電気に囲まれていることにある。
パソコンやスマートフォンをはじめ、電子レンジ、掃除機、洗濯機など、現代の生活では電化製品を欠かすことはできない。昨今ではオール電化になっている家も少なくないだろう。これらの電化製品や電気配線は微量の電磁波を発しており、その中で生活しているため、知らず知らずのうちに体に電気が溜まっていると考えられる。
また、衣類や寝具には自然素材よりも安価で取り扱いやすい化学繊維が多用されているが、これらの素材は静電気が起きやすい。
このようにして体に溜まった電気は、交感神経を活性化させてしまい、血管が収縮、筋肉は緊張状態になるという。加えて、人間の体は6割が水分で出来ていることから電気を通しやすいため、どんどん帯電が起こってしまう。そして、このことが慢性的な肩こり、頭痛、疲労感、睡眠不足などを引き起こしているのではないかと考えられている。
これらの症状は、ほとんどが都市部で起こっているもので、自然の中ではほぼ起きないという。そうした理由から、電気を取り除くためのアーシングが注目されはじめ、健康への関心が高い人々の中で取り入れられているようだ。
アーシングの仕組み

そもそも、アーシングはどのような仕組みになっているのだろうか。アーシングはシンプルであるため、ただ素肌で自然に触れるだけで、本当に効果があるのか疑問に思う人もいるかもしれない。
アーシングは、よくある電磁波除去とは異なり、大地と繋がることが大前提にある。現代の私たちが浴びているのは、大量の人工電磁波だ。しかし、そもそも地球には太陽や惑星からの電磁波や雷など、自然に存在する自由電子が無数に存在している。アーシングによって、体から一方的に帯電した電気を放出させるだけではなく、そのような自然界に存在する電子と中和することで、体内の電気バランスをとることができるのだ。
地球上の生物は、土の上で生活することで足の裏から地球のエネルギーを取り込んでいる。私たちの先祖も、そのようにして定期的に放電し、また地球とのエネルギー交換を行いながら、体の表面から電気バランスを整えていたと考えられる。しかし、現代では電気を通さないゴム底の靴を履いているため、自分の体から電気を流すことができないのだ。
アーシングで期待できる効果
アーシングによって得られる効果は、主に以下のようなものがあると考えられる。
- 自律神経、ホルモンバランスの調整
- 疲労回復
- 肩こり、頭痛の緩和
- 睡眠の質の向上や精神の安定
- 痛みや炎症の軽減
- 血流の改善
自然の中で過ごすことが、深いリラックス効果をもたらすことはよく知られている。それは二つある自律神経のうち、休息に関係する「副交感神経」が優位になるからである。
私たち現代人は、自然の中で動物に襲われるような大きな恐怖はなくなったものの、仕事や人間関係など、日々の生活の中で多くのストレスに晒されている。常に「闘争モード=交感神経が優位の状態」になることで、不眠や疲労感などの慢性的な心身の不調を招いてしまうのである。
アーシングは、電気を放出することに加え、自然に触れることで副交感神経を優位にさせ、不調を改善させることができると期待されているのだ。
アーシングの具体的な方法

アーシングの方法は、用意しなければならない物や難しい手順はなく、各個人が「気持ちいい」と感じるものでよいとされる。ここでは、手軽にアーシングする方法をいくつかご紹介したい。
屋外
当然ながら、アーシングは屋外で行うことが最も重要だ。素足で公園の芝生や砂浜の上を歩く、森で木に触れる、川に足を浸けるなど、自分の好きな方法でおこなってみよう。葉っぱがこすれる音や、波や水の音は深いリラックス効果をもたらすといわれており、また、深呼吸を行うことでさらに副交感神経が優位になる。
なお、地球の自由電子が体内を移動するには30分ほどかかるとされるため、アーシングは最低でも30分は行うことを意識するとよいだろう。
また、庭の手入れや鉢の入れ替え、畑仕事の一部を素手で行うこともアーシングになるので、積極的に取り入れてみるのがおすすめだ。
屋内
アーシングは「素肌で自然とふれあう」という実にシンプルな方法ながら、都市部に住んでいてなかなか機会がないという人もいるのではないだろうか。また、雨の日や冬など、天候的に難しい場合もある。そのような場合には、屋内でもアーシングを行うことができる。
例えば、プランターに土を入れて素手で触れる、観葉植物を触るといった方法以外にも、アーシングをしている人や動物に触れることでも効果があるとされている。
さらに、就寝環境を見直すことも効果的だ。多くの人はスマートフォンを枕元で充電しながら寝ており、部屋の中には照明を置いているという人もいるだろう。そのような状況は寝ている間にも電磁波を浴びることになり、睡眠の質が低下してしまう恐れがあるので、寝室には出来るだけ電化製品を置かずに、就寝時間だけでもデジタルデトックスを実践することも効果的だ。またアーシング関連の寝具を使用するなどの方法を試してみるのもよいだろう。
アーシングの注意点
アーシングは心身によいことばかりのように思えるが、まだ科学的には効果が認められていないのが現状だ。実際にきちんと放電されているかどうかを確認することは難しく、個人の感覚に委ねられているという面も否めない。
また、虫刺されがあったり、皮膚の弱い人にとっては素手や素足で土に触れることでかぶれたりするなど、皮膚トラブルを起こす可能性もある。自然の中は整備されていないことも多く、怪我をする場合もあるので、周囲の環境や自分の体の調子を見ながら、注意して行おう。
まとめ
心身によい影響をもたらすことが期待されるアーシング。電化製品や人工物に囲まれた生活を送る現代人は、自然とふれあう機会をほとんど失ってしまっている。中には、動物や虫が怖く、ますます遠ざかってしまう人もいるかもしれない。
しかし、人間がそうした環境で暮らすようになったのはごく最近のことであり、進化が追いついていないことから、現代人のほとんどが慢性的な疲労や心身の不調を訴えていることはよく知られている。このことは、ときには文明から離れ、大地と繋がることの大切さを伝えているようだ。
まずは月に一度程度からアーシングを行い、浄化される感覚を味わってみるのはいかがだろうか。
参考サイト
アーシングとは|アーシングジャパン
アーシングとは?|EMFA 一般社団法人 日本電磁波協会
アーシングはどれくらいやればいいの?|アーシングジャパン
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